NEW 寄居発 – 里山速報 No.24

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目次

法人設立15年を迎えて

当会は平成12年4月12日にNPO法人として埼玉県から認証されました。従って今年で法人設立15年目を迎えることになります。設立の目的は寄居の自然環境の保全に寄与することで、その目的を達成するため、こまでに

① ビオトープ作りによる生物の生息場所の確保、

② 自然体験等をとおして次代を担う子供たちへの、自然の素晴らしさの伝達、

③ 生き物との共生に向けた生き物調査、

④ 自然を愛する人々の出会いの場作り

などの活動を行ってきました。そして、こうした活動を総括し、里山の自然を守るための提言を行うことにしています。一方、NPO法人として経済基盤を整え、次の世代に活動をバトンタッチできる組織とすることも目標としてきました。

では、15年目を迎え、当初の目的が達成できそうでしょうか?その目的を達成するためには、あとどの位の年月が必要なのでしょうか?

最終的な目的である提言書の作成は、数年以内に発刊できる見込みです。専従スタッフの雇用できるような財政基盤の整備については、達成困難だと思いますが、喫茶店の営業成績によっては可能性があるかもしれません。とはいえ、今のところ代表を引き受けてくれそうな後継者が見つからず、私が活動できなくなれば解散せざるを得ない状況です。私は現在66歳です。男の平均寿命は80歳ですか、健康でいる男性の平均年齢は70歳だそうです。私の場合、健康にはあまり自信がありませんので、70歳まで活動できるかどうか微妙です。何はともあれ、残された時間は多くありませんが、最後まで諦めずに目的達成に全力投球しますので、今後共よろしくお願いします。というわけで、理事会で次年度以降の大まかな活動計画を立てましたので、その概要をお知らせします。

今後の活動方針

目的達成に必要な残された課題に新たに取り組む一方、管理フィールドを縮小します。

1.フィールド縮小・整理について

① 男衾地区に借りていいる山林は目的を達成しましたので、本年12月末をもって返すことにします。

② 用土の田んぼはアキアカネの復活に向けた実験圃場として、また田んぼ作り体験の場所として、今後2~3年は耕作を続けます。ただし、管理労力を削減するため、耕作面積は減らします。

③ ノアの畑は管理作業の低減化を図るため、野菜栽培を減らし、低木の果樹を植えることにします。

④ 男衾の食べられる木の実園は今年度末(平成27年3月まで)までに返すことにします(今年の冬に抜根し、整地して地主に返します)。

⑤ ビオトープ実験池はまだ調べることがあるので、もうしばらくお借りします。返す場合には、機械で池を埋め戻し元の状態に整地しますので、労力と経費の調達が必要になります。

2.継続事業の見直しと次年度事業について

① アキアカネ復活に向けた実証試験
これまでの研究で、無農薬栽培を続けても水田のアキアカネは復活しないことが分かりました。我々の水田は湛水時期が6月上旬と遅いため、越冬卵が孵化できないためです。このため、越冬卵を冷蔵して湛水後に孵化させる実験を行ってきました。次年度はこの実験を継続するとともに、次年度は他団体が無農薬で栽培している水田で冬期湛水や5月上旬に湛水していただき、アキアカネの復活に向けた実証試験を行います。また、アキアカネに影響の少ない代替農薬についても検索することにします。

② ウスバキトンボによる身近な水辺環境調査
ウスバキトンボは東南アジア方面の水田地帯から日本に飛来し、世代を繰りかえして北上するというのが定説です。しかし、私は日本では1世代しか行わず、国外からの飛来個体しか産卵できないと考えています。また、本種は日本中いたる所に見られ、ウスバキトンボが激減していると感じています。本種の繁殖場所は主に水田ですが、学校の水泳プール、公園内の人工池、大雨による一時的な水たまりでも繁殖します。いずれも身近な水辺です。いわば人間と共存してきた代表的な生き物と言え、本種が激減していることが事実とすれば、由々しき事態です。南東アジアの水田環境と日本の水田環境が悪化しているのかも知れません。定説の見直しを含め、ウスバキトンボを全国レベルで調べる必要があると考え、次年度にアンケート方式による実態調査を実施することにします。

③ ノアの運営について
今春、寄居町役場庁舎にオープンした、喫茶店を次年度どうするか頭を悩ませています。
≪収支状況≫の通り、時給350円のボランティアスタッフによる経営でも経済的に厳しい状況です。庁舎の契約期間は来年3月までですが、1年もしないで店じまいというのはちょっと無責任ですので、借用許可が得られれば、次年度も営業したいところです。
スタッフの方々のご意見や意向をお伺いしたり、来年度の財政状況を見極めた上で、今年末までに営業継続の可否を判断することにします。

④ 里山体験プログラムについて
次年度もワンダースクールの主催で年間8~10回程度実施します。プログラムは本年度と同様、川の生き物探し、田植え体験、ホタル観察、稲刈り体験、赤とんぼ調べ、野菜の収穫体験、焼き芋作りの予定です。

⑤ 他団体との協力事業
里山保全の仕組みを構築するためには、他の市民団体や企業、行政機関との連携が不可欠です。これまで、当会はこうした取り組みには熱心ではありませんでしたが、次年度以降はこうした所との共済事業に力を注ぐことにします。まだ具体的なことは考えていませんが、NPOひだまりの会(寄居町)、NPO法人比企自然学校(東松山市)、武蔵丘陵森林公園(国)を候補に挙げています。

⑥ 調査報告書の発行
ビオトープ実験池や田んぼ生き物公園、トンボ公園などで行ってきた調査結果をもとに「耕作放棄水田を活用した水辺ビオトープの生物多様性保全効果」と題する印刷物を次年度発行紙、関係機関に配布します。

ノアの収支状況(5月~9月)

ノアは今年の5月12日にオープンして以来、まる5ヶ月が経過しました。下表のとおりこの間、約2千名の方が利用されました。月別の収支状況を見ると、7~8月はかき氷のお客さんが多く黒字になったものの、他の月は2万円以上の赤字となっています。でもこの程度の赤字なら、何とか3月までは持ちこたえられると思います。どうか引き続きご支援下さるようお願い申し上げます。

収入(円) 支出(円) 収支(円) 来客数(人) 営業日数(日)
113,050 141,696 -28,646 331 15
126,850 148,146 -21,296 356 21
156,268 144,161 12,107 479 23
131,163 127,339 3,824 412 18
108,150 130,138 -21,988 283 20
10 46,080 49,977 -3,897 128 8
681,561 741,457 -59,896 1,989 105

*5月12日~10月12日まで
*人件費を時給350円として算出

26年度会費納入のお願い

平成26年度の会費を未納の方が11名おられます。封筒の宛名に未納と書かせていただきましたので、納入下されば幸いです。なお、振込用紙を使わなくても他の金融機関から送金できるようです。その場合は下記の通り指定してください。
銀行名:ゆうちょ銀行 金融コード:9900 天板:038 預金種目:普通
店名:〇三八(ゼロサンハチ店) 口座番号:3502761

里山体験プログラムの実施状況

9月23日に19名の参加者を得て「赤とんぼ観察会」を行いました。
当日は好天に恵まれ、男衾自然公園からとんぼ公園までゆっくり散歩しながらトンボを追いかけました。この日見つけたトンボは、アキアカネ、ナツアカネ、ネキトンボ、マユタテアカネ、ウスバキトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ハグロトンボ、オニヤンマ、オオルリボシヤンマの10種類でした。オオルリボシヤンマは参加者が採集したもので、老熟したメスでした。本種は北方系のトンボで、寄居町では2匹目となる貴重な記録で、メスは初めてです。種類数はマズマズでしたが、個体数が少なかったですね。毎年赤とんぼ観察会を実施しているのですが、毎年トンボの数が減っていることを実感します。

今後の里山体験プログラムの予定

「稲刈り体験」

期 日 10月18日(土)・19日(日) 10時30分~12時(雨天中止)
参加費 一人1000円(3人以上の家族は3千円)
場 所 おぶすまトンボの里公園
  必ず長袖、長ズボンでお願いします。ぬかっている可能性もありますので、長靴が無難です。鎌で収穫したものを束ねて縛り、干す作業です。

「野菜の収穫体験」

期 日 11月15日(土)・16日(日) 10時30分~12時(雨天中止)
参加費 一人1000円(3人以上の家族は3千円)
場 所 コミュニティファーム
  色々な野菜を収穫していただくため、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモ、ホーレンソウ、ミズナ、シュンギク、チンゲンサイ、タアツアイ、コマツナ、レタス、ニンジン、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどを栽培しています。今後の生育状況によってどれが収穫適期になるか分かりませんが、十分お楽しみ頂けると思います。収穫物は一人レジ袋1枚差し上げますので、つめ放題でお持ち帰りください。まったく農薬を使用していませんので、虫食い箇所がありますよ。

「田んぼで焼き芋作り」

期 日 平成27年1月24日(土) 10時30分~12時(雨天中止)
参加費 一人1000円(3人以上の家族は3千円)
場 所 田んぼ生き物公園
  稲わらや枯れ木を燃やしてさつまいもを焼き、熱々の焼き芋をほお張りましょう。マシュマロも用意しますので、棒きれにさして焼いて食べてみて下さい。

アキアカネ減少に環境省が調査に着手!

アキアカネの減少要因と考えられているネオニコチノイド系農薬の環境への調査を、環境省が行うとの新聞報道がありました。私は無農薬で栽培してもアキアカネが復活しないことから、農薬以外の減少要因もあると考えていますが、農薬の影響が大きいことは確かなので、遅まきながら国が調査に記ダウのは好ましいことです。しかし、調査を行うのが農水省ではなく環境省なので、どこまで調査結果が施策に反映されるか疑問です。今後の動向を注視しましょう。

ついでに赤とんぼしらべの生地が読売新聞に掲載されましたのでご紹介します。これは赤とんぼ調べのPRを目的に書かれたもので、私のところにも取材に来られたので、ワンダースクールの太田さんに写真をお借りしました。

※画像省略

4種の蝶を寄居でも確認

最近は温暖化の影響や放蝶行為によって、本来分布していない場所に新たな生物が定着する現象が見られるようになりました。その中でも顕著なのはツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ、ナガサキアゲハ、ホソオチョウの4種類の蝶です。アカボシゴマダラは中国大陸の個体が人の手で放されたと考えられており、1997年に神奈川県で発見されて以来、分布を広げています。ホソオチョウも韓国産のものが放されたようで、1978年に東京都日野市で最初に発見されました。ツマグロヒョウモンとナガサキアゲハは南方系の蝶で温暖化の影響で北へ分布を広げているようです。4種とも埼玉県では発見されていたのですが、寄居町ではホソオチョウとナガサキアゲハは複数回目撃しました。ツマグロヒョウモンも見かける機会が増えており、町内に定着したようです。ナガサキアゲハとホソオチョウも定着するのでしょうか?今年はデング熱騒ぎがありましたが、生物界のひへんは人間にも影響を及ぼしそうで不気味です。

他団体からのお知らせ

他団体からのお知らせです。詳細は主催者にお問い合わせ下さい。

『第五回低炭素まちづくりフォーラム in 埼玉』

【目 的】
このフォーラムは低炭素社会の実現に向けて、ワークショップやパネルディスカッションを通じて、現代のライフスタイルを見直すとともに問題や課題を発見し今後の取り組みへと繋げます。さらに、埼玉県地球温暖化防止活動推進員及び県内の環境団体、企業、学生の情報交換、交流、研修及び政策提言の場とします。

開催日 平成26年11月15日(土)
場 所 日本工業大学学友会館ホール他
参加費 300円(資料代)
主 催 第五回低炭素まちづくりフォーラム in 埼玉
申し込み TEL:048-749-1217 Eメール:goto@kannet-sai.org

『第26回全国トンボ市民サミットたつの大会』

【目 的】
童謡“赤とんぼ”の作詞者・三木露風が生まれた町でトンボサミット初開催!露風が詠んだ“赤とんぼ”の詩情復活を共に目指しませんか?

開催日 平成27年7月19日(日)~20(月)
場 所 たつの市国民宿舎「赤とんぼ荘」
主 催 第26回全国トンボ市民サミットたつの大会実行委員会
お問合せ TEL:048-581-4073

『第5回里親サロン』

【目 的】
里親と里子の支援機関の創設に向けた意見交換会です。

開催日時 平成26年10月21日(火) 10時30分~12時30分
場 所 カフェギャラリー「ノア」(寄居町役場庁舎1階)
参加費 無料
主 催 里子の自立を考える会
申し込み TEL:048-581-4540 Eメール:tombo2@dl.dion.ne.jp

編集後記

今年度3回目の速報をお送りいたします。今年度はあと2階、12月と3月に発行する予定です。今年は法人設立15年という節目の年だったのですが、これといった記念事業は行いませんでした。15年前に比べると活動スタッフも年を取っただけではなく、それぞれゆとりが無くなってしまい、現状の活動を維持するのが精一杯で、記念事業を行う気力がありませんでした。設立当初の情熱と勢いを維持するのは大変ですね。当会に限らず自然保護系のNPOは衰退傾向にあるようで、高齢化と若い人の参入不足が原因でしょう。
自然観察会や自然に関する講演会、講習会に参加するのは年寄りばかりで、高校生や大学生を見かけることは皆無に近い状況です。自然保護で勝代悪する人がノーベル平和賞でももらうとか、若者の関心を誘う話題が欲しいです。次号では明るい話題をお届けしたいものです。(Y.A)

NPO法人 むさしの里山研究会

事務所: 埼玉県大里郡寄居町末野 1233-2
Tel-Fax: 048-581-4540 (新井)
E-Mail: tombo2@d1.dion.ne.jp
郵便振替: 00540-6-18599 むさしの里山研究会

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