NEW 寄居発 – 里山速報 No.23

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目次

その後の喫茶店の状況

寄居町役場庁舎の一角で喫茶店を開業して2カ月が経過しました。9名のボランティアの方に交代でスタッフとしてお願いし、これまで一日も休むことなく営業することができました。ご苦労いただいているスタッフの皆様に心から感謝する次第です。6月末までの状況を報告させていただきます。

収支状況

来客数は5月が合計331名で、1日平均22名、6月が合計356名で、1日平均17名という状況でした。収支は下表(※省略しております)のとおりで、両月とも赤字でした。来客数が少ない上客単価が低いので、収入が少ないのは致し方ないことです。しかし、役場にお茶を飲みながら、ちょっと一休みできる場所ができて良かったと、喜ばれていますし、授産品の売れ行きもマズマズです。
※収支表は省略します。

ところで、昼食も出して欲しいとのお客さんの要望が多く、また客単価を増すため六月には、試しにスパゲッティとカレーを500円で提供してみました。役場のIHヒーターで出せる料理として適当と考えたためです。

クレーム発生

その結果、真上にあるジョブセンターから、就職相談に来られた方が、料理の匂いを嫌がって帰ってしまったので何とかして欲しい、との苦情が再三寄せられました。一方、カレーの提供に喜ぶお年寄りもいます。一人住まいのお年寄りはカレーを作るのは大変なようですし、歩いていける距離に食堂もありません。ノアでカレーが食べられて有難いと感謝されています。ノアは地域の人々に喜んでもられる空間を提供することが、一番の目的です。お年寄りに喜ばれる一方で、別に人に迷惑がられるという事態に困惑しています。

目下、調理するときは、換気扇を強にし、厨房のシャッターを閉めるなど匂いがもれない努力をしているところです。夏は冷房するため、上昇する暖かな空気とともに匂いが上に立ち上るかもしれません。そうであれば、夏は料理を自粛することを考えています。

役場で喫茶店をやるのですから、これからも色々な問題がしょうじるかもしれませんが、役場の業務に司法を来さないことを最優先として対処するつもりです。

今後の運営

庁舎での喫茶店営業許可は来年の3月31日まで出ていますので、それまではやりぬく覚悟です。赤字の問題は何とかなるでしょうが、問題はボランティアスタッフの確保です。

とくに8月は夏休みで子供が家にいるため、手伝えないスタッフが2名おり、対応に苦慮しています。さらに、来年3月まで時給300円でお願いするのは、心苦しいものがあります。課題が山積ですが、あれこれ心配しても始まりません。来店されたお客様に喜んで頂けるよう最善を尽くすのみです。精一杯頑張りますので、今後ともよろしくご支援下さるようお願い致します。

総会が終了しました

平成26年度の総会を6月10日にノアで行い、25年度の活動報告と収支報告、26年度事業計画案と予算案が承認されました。今年度はノアの運営とフィールドの生物調査を主体とした活動に取り組みます。
※予算書の掲載は省略します。里山速報をご参照ください。

26年度会費納入のお願い

平成26年度の会費納入をお願いしたところですが、会費を納めたかどうか分からないとの問い合わせを頂きました。確かに忘れてしまうと思います。そこで、未納の方には今回の速報に郵便振込用紙を同封させて頂きました。振込用紙が送られた方は、今年度会費が未納ということです。7月末までに送金して頂ければ有難いです。なお、過去に遡っての請求はしませんので、以前の会費を未納の方も26年度会費として2000円のみで結構です。よろしくお願いします。

里山体験プログラムの実施状況

今年から里山体験プログラムの開催はワンダースクール主催となりましたが、実際にはこれまでと変わりなく、当方でも準備や案内役を務めています。これまでに、川の生き物探しを5月6日と5月24日に、田植え体験を6月21日と22日に、ホタル観察会を7月5日に行いました。これから5会の総参加者数は111名でした。田植えは2日間で予定の量を植え切ったのですが、苗がかなり余ったので残りは5日間かけて事務局で植えました。

田植えの際、ヤマカガシが出現しましたので、子供たちに触らせて感触を楽しんでもらいました。川の生き物探しを行ってきた小川町の兜川は上流で錦鯉を飼うようになったためか、ヤゴなど生き物の減少が著しくなっています。また、今年はホタルの発生も極めて少なく、観察会の時にはゲンジが約20頭、ヘイケが2頭という状況でした。ホタル観察会は毎年末のトンボ公園で行ってきましたが、年々発生量が減少しており、この場所での観察会は今年で最後になりそうです。小さな子供でも安心して生き物観察ができる場所が少なくなっていますね。

今後の里山体験プログラムの予定

今後11月までの予定は以下のとおりです。このほかにも、ワンダースクールの要請があれば増やすこともあります。

「赤とんぼ調べ」

期 日 9月23日(火) 10時30分~12時30分(雨天中止)
参加費 一人1000円(3人以上の家族は3千円)
場 所 おぶすまトンボの里公園

「稲刈り体験」

期 日 10月18日(火) 10時30分~12時(雨天中止)
参加費 一人1000円(3人以上の家族は3千円)
場 所 田んぼ生き物公園

「野菜の収穫体験」

期 日 11月15日(火) 10時30分~12時(雨天中止)
参加費 一人1000円(3人以上の家族は3千円)
場 所 コミュニティファーム

ウスバキトンボの動向に注目を!

これから9月にかけてフワフワと群れ飛ぶオレンジ色のトンボを目にすることでしょう。

外国から海を渡って来るトンボとして有名なウスバキトンボです。あまりにも普通にいるトンボなので、トンボ愛好者からはバカにされている存在です。私は水田の生物多様性という観点からこのトンボに関心をもっているのですが、最近はかなり減っていると感じています。ウスバキトンボの主な繁殖場所は水田です。アキアカネやカトリヤンマ、ミヤマアカネも水田で繁殖し、かつては最普通種だったのですが、最近は激減しています。その原因は水田が繁殖場所として適さなくなったためでしょう。ウスバキトンボは外国からやって来るので、問題ないと思っていたのですが、そうでもないのかもしれません。

実は水田の大害虫として有名なトビイロウンカなどのウンカ類は、ベトナムや中国の水田で繁殖したものが、梅雨期に発生する下層ジェット気流に乗って大量に二本の水田に飛来すると考えられています。恐らくウスバキトンボも同じような経路で、南方の水田から日本にやって来るのでしょう。問題はこれらウンカ類の薬剤耐性がつき農薬が効かず、西日本での被害が拡大しているということです。現在ウンカ類の防除は東南アジアを含め我が国でもネオニコチノイド系の農薬が主流のようです。とくに東南アジアでは食味の良いイネが栽培されるようになりました。その結果ウンカ類が増え、その防除のために農薬の散布量が増したことが、薬剤耐性がついた要因と考えられています。日本でネオニコチノイド系の農薬が使われ始めたのが10年ほど前で、その頃から急激にアキアカネが急減していることから、農薬の影響が大きいとする説が有力です。当然ウスバキトンボにも影響を及ぼすはずですので、東南アジアの水田でのウスバキトンボの発生量が減少し、日本に飛来したものも水田で農薬の影響を受ければ、個体数が激減するはずです。どこにでもいる普通種として楽観せず、その動向を注視すべきと考えます。

もし今年発生が少なければ来年、「全国一斉ウスバキトンボ調査」を実施しようと考えています。

中学生の部活に思う

まもなく夏休みが始まります。小学生は夏休みのあいだ毎日やることがなく、休みを持て余すことになります。私の小学生時代は毎日虫取りに明け暮れ、家人から「そんなに虫を殺していると、虫が化けて出るよ」と諭されたものです。中学生時代は虫の好きな友だちと出会い、ともに生物部で活動し、トンボに夢中になりました。しかし、現在のクラブ活動に生物部のある中学校は皆無に近いでしょう。部活の大半は運動部で、連日朝と放課後に練習があり、土日も弁当を持っての練習や試合、40日の夏休み期間中は35日ほどが朝から夕方まで部活です。部活は義務なのでどこかに属さなければならず、いやいや行く子も少なくないでしょう。これでは何のための夏休みかわかりません。もっと多様な夏休みの過ごし方が容認されても良いのではないでしょうか?これでは、昆虫少年も育ちません。実は東海でトンボ好き少年を育てるべく、トンボ調査隊という組織を立ち上げ、毎月トンボを追いかけたことがありました。これにトンボ好きな小学生が参加し、トンボ少年育成の期待が高まりました。ところが、中学に入ると、部活で忙しくトンボを追いかける時間がなくたってしまったとのことで、トンボへの興味が薄れてしまいました。昆虫少年が育たない理由は、色々ありますが、最もいい奇異のは中学生の過剰な部活にあると思います。

里山体験プログラムの参加者も、小学低学年が主体で、中学生の参加者はほとんどありません。昆虫を追いかけるのは子供じみたこと、という暗黙の価値観が社会にあるのでしょう。運動部は人間だけの世界です。しかし、生物部は人間とその周りの生き物とが関係する世界です。今日人間と他の生き物との関係が問われている時代です。その面でも昆虫採集の復権や、生物部の意義などが見直されるべきだと考えます。

他団体からのお知らせ

他団体からのお知らせです。詳細は主催者にお問い合わせ下さい。

『川の体験活動指導者養成研修会』

この度、健全な河川利用推進及び川の活動次世代リーダー育成に向け、埼玉県の助成をいただき開催いたします。

【研修会実施概要】
実施日 8月1日(金)~3日(日)
場 所 都幾川鞍掛橋周辺、比企自然学校里山センター(東松山市内)
参加費 5千円
なお、連続3日間の受講が理想ですが、土日(2・3日のみ)の参加も受け付けます。
(ただし、定員を恋えば場合は、連続受講を優先いたします。)
主 催 NPO比企の自然学校

『寄居町政の思いを聞く会』

【内容と目的】
町長選挙への立候補を表明されている花輪利一郎さんと島田誠さんから、それぞれ30分以内で①これからの町政について②寄居町が抱えている問題点3つとその課題策について語ってもらうもので、お二人の主張を公正公平にお聞きする機会を提供することを目的としています。質問、意見交換は設けていません。

実施日時 7月26日(土) 19時(開場)~21時(閉会)
場 所 男衾コミュニティセンター 多目的ホール
主 催 2014年寄居町町政への思いを聞く実行委員会 TEL:048-581-4073

『赤とんぼさがし』

【内容と目的】
赤とんぼに注目して調べることをとおして、身近な水辺や田んぼの環境の変化を明らかにすることを目的に行うものです。会員の方にはパンフレットを同封しましたので、ぜひご参加ください。

実施期間 7月1日~10月31日
主 催 日本自然保護協会

『トンボ王国・さが写真コンクール』

【募集内容など】
平成25年9月から平成26年9月までに撮影された未発表及び発表予定のないトンボの写真を募集しています。一般部門(佐賀県以外の撮影も可)とジュニア部門(佐賀県内で撮影されたもののみ)があり、ともにキャビネまたは2Lサイズのプリントで応募のこと(インクジェットプリンターは不可)。

一人5点以内とし、1点ずつ応募票を添付して応募のこと。

応募先 〒840-8501 佐賀市栄町1番1号 佐賀市役所環境政策課「トンボ写真コンクール」係
締 切 平成26年9月26日

入賞作品はカレンダーに採用されるほか、トンボ王国大統領賞ほかが授与されます。また応募者全員にカレンダーが進呈されます。

oubohyo

編集後記

7月に大型台風が上陸したり、大量のヒョウが降り積もったりと、相変わらず不気味な気象が続いていますね。政治の面でも防衛や経済などに主力が置かれています。何となく悪い方向へ日本が進んでいるような不安をおぼえている人は、少なくないでしょう。

私のような年寄りは良いのですが、子供たちが心配です。でもどうしようもありません。当会としては、与えられた環境の中で最善を尽くすのみです。日本全体のことはともかく、寄居町だけでも生き物に溢れ、弱者にも優しい、相互に支え合う地域社会をつくりたいものです。役場での喫茶店はそのための第一歩と位置づけています。次のステップは、未使用状態となっている寄居庁舎7階を、地域のボランティア団体に解放するよう働きかけることです。みんなが集える場所があり、その出会いから相互の連携がスタートできると考えています。

さらに、新たに福祉活動を目的とするNPO法人を立ち上げるべく準備を始めました。

今後はがむしゃらに活動するのではなく、私たちがやるべきことの優先度を決め、効率的に取り組むべきだと考えています。

次号はとくに緊急に連絡することがなければ、秋に発行の予定です。皆様には、どうぞお元気でこの夏を乗り切ってください。(Y.A)

NPO法人 むさしの里山研究会

事務所: 埼玉県大里郡寄居町末野 1233-2
Tel-Fax: 048-581-4540 (新井)
E-Mail: tombo2@d1.dion.ne.jp
郵便振替: 00540-6-18599 むさしの里山研究会

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