NPO法人 むさしの里山研究会は、NPO法人 ノアに合併吸収されました。

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むさしの里山研究会のご案内

私たちの身の回りにある田んぼや畑、原っぱ、ため池、小川、雑木林といった農業や人の働きかけを受けてきた自然環境を里山と呼んでいます。身近な場所でもある里山はトンボやホタルなどのおなじみの生き物の住みかでもありました。

しかし、私たちのライフスタイルの変化、農林業の担い手の不足、宅地開発、ゴルフ場造成などにより里山の自然環境は悪化しています。その変化にともない、最近の子供達は、昆虫などの生き物と遊ぶことも、農作業に関わることも無くなりつつあります。里山の自然環境は大人にとっても子どもにとっても、また生き物にとっても大切です。里山を保全するためには、農山村住民と都市住民とが互いに力を合わせることが大切だと考えます。そのために、農業体験の実施、農業支援、里山をフィールドにした自然観察会や調査会などの活動をしていきます。

とはいってもいろいろなメンバーがいて、里山を保全したいという気持ちだけが共通の仲間です。休日にたまには田んぼや畑で汗をかいてみようと思う方、動植物に興味のある方、里山に関心のある方など、気軽に一緒にやっていきませんか?

里山の自然はなぜ破壊されたのか?

ところで、里山の自然はなぜ、いつ頃から壊されてしまったのでしょうか。

このことについては、昭和30年代を境に急速に自然破壊が起こったというのが一般論になっています。
すなわち、

この頃から熱エネルギー源として炭や薪に変わって、石油が主体に使われるようになったその結果、炭や薪の材料となっていたクヌギやコナラといった雑木が役に立たなくなり、杉やヒノキのような針葉樹が植林されるようになった。さらに外在の輸入によりこれらの針葉樹も価格を持たなくなり、山が放置されるようになった。そして、役に立たなくなった山は、ゴルフ場の開発の対象となった。一方、農業は農産物価格の低迷や、農業労働者の都市への流入等により、農業を持続することが困難になり、休耕地が増加し、それらが開発の対象となった。このように管理不足による林や農地の荒廃は、管理されることにやって維持されてきた生物の多様性をも損なうようになった。

といったことのようです。そうだとすれば、昔のように、良く管理された雑木林を増やし、昔ながらの農業を復活することが豊かな自然を取り戻す道だということになります。しかし、現状では山は役に立たず、伝統的な農業をやっていたのでは先が見えないと言うのが現実です。

そこで、私たちの出番があるのではないかと考えます。つまり、雑木林の山や、伝統的な農業に新たな価値を見いだし、地主さんや農家を側面から応援することが里山の自然を守る道だと考えます。
その応援の方法を実践的事業をとおして研究しようというのが当会の目的です。

わたしたちに何ができるか?

当会は寄居の自然を守るために発足して5年目を迎えました。1年があっという間に過ぎ、日々奮闘しているのですが、自然の保全にどのくらい役立っているのかと思うと、暗澹たる気持ちになります。

昨今は里山がブ-ムになっており、全国各地で私たちのような保全団体が活動しています。その活動内容は似たり寄ったりで、山の下草刈りをやったり、炭焼きをしたり、田んぼを作ったりといったあんばいです。しかし、何処も里山を守ったと胸を張って言えるところはないでしょう。里山の自然を保全する手だては、いまだに見いだせていない、というのが実態だと思うのです。

では、一体どうしたら良いのでしょう?

里山は炭や薪を作るために下草刈りなどのを管理をし、その結果山(雑木林)は生き物が住みやすい環境に保たれたと言われます。昔は田んぼとため池、水路がつながっていたため、魚をはじめとする様々な水生生物が、田んぼとため池を行き来して暮らせたと言います。
ですから、雑木林の下草刈りをしたり、田んぼと水路を昔のように生き物が移動できるようにすべきと言います。
ところが、山も田んぼも他人の所有物です。勝手に立ち入ることさえ出来ません。耕作放棄水田が増加する中で、使わなくなったため池が次々に埋め立てられています。

でも水利権のない我々は口出しできません。
地権者でもない、農家でもない、金もない私たち市民団体に何が出来るのでしょうか?

田んぼやため池が埋め立てられるのも、雑木林が荒れてしまうのも、それらが必要でなくなったから、あるいは価値が低下したからです。つまり、社会のニ-ズが低下したからです。社会が必要としないものが守れるはずがありません。
しかし昨今の里山ブ-ムは里山を欲するニ-ズが現れたことを意味します。そのニ-ズのぬしは私たちのような土地を持たない都市住民です。
つまり、これまで里山の自然を支えてきた農家が農業を止め、雑木林所有者がその価値を認めずに放置する一方、その大切さを遠くから都市住民が声高に唱えているという図式が今日の里山ブ-ムです。
しかし、考えてみれば、昔も炭は都市住民が使っていたから炭焼きという生業が成立していたのでしょう。米や野菜だって都市住民が購入したから農業として生計が成り立っていたのです。それは、都会のニ-ズに里山が答えることによって、自然が守られていたという図式になります。
こう考えると、炭や薪とは異なった現代の都市住民のニ-ズに里山が答えれば良いはずです。

では都市住民は里山の何を欲しがっているのか、それに里山は答えられるのかというのが課題になります。

現代ニーズに答える、里山の新たな価値

話は変わりますが、昨今の鳥インフルエンザやコイヘルペスのニュ-スを皆様はどう感じておられるでしょうか?

ニュ-スでは鳥の処分が終わったとか、コイの処分が完了した伝えています。
要するに全て殺し終わったということです。
一体どうやって殺したのでしょうか。穴を掘って生き埋めにしたのか、あるいは焼き殺したのでしょうか。鳥やコイを育ててきた人々の胸はさぞいたたまれなかったことでしょう。

でも、報道では安全性ばかりが伝えられています。確かに安全かどうかは最大の関心事でしょうが、この問題は私たちに多くのことを問いかけているのではないでしょうか。
例えば一度に何万匹も感染するような、大量生産方式に問題の根があったし、それは安さと効率性を追求しないとやっていけない、農水産業業の現状を問うものだと思うのです。現代人は自分に降りかかる問題には異常とも思えるほど関心を持つくせに、そうでないことには無関心のようです。実は里山の保全も、生き物、食べ物、健康、教育など一様々な事柄が関係しており、それらを他人事ではなく自分の問題として関わっていくことが大事なのだと思うのです。

都市住民に限らず現代社会は自身の問題として安全、健康、教育など様々な不安を抱えています。そして癒しや潤いを求めています。関心事であるこうした不安を取り除き潤いを与える場として、里山の価値を再利用することが求められていると思うのです。

私たちはこのような視点に立ち、今年も様々な事業に取り組んでいきます。事業を通して多くの方々とつながり、それを形にしたいと願っています。

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